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 世界中から200万人の観光客が訪れるという「さっぽろ雪まつり」。札幌市の中心部にある「大通会場」のあちこちで目にする「市民雪像」と呼ばれる2メートルほどの小雪像たちは市民や学生によって作られたもので、はるか昔に市民や学生が小さな雪像を作って始まったという「さっぽろ雪まつり」の原点といえます。

 市民雪像のデザインは定められたルールのもとで自由に決められますが、その時の流行や出来事などが反映される事が多く、市民雪像でモデルにされることが「人気のバロメーター」と言われる事があります。「ぷよぷよ」も家庭用ゲーム機に登場してヒットした1994年頃から「カーバンクル」や「ぷよ」を模した市民雪像がちらほら見られるようになったようです。

 2000年、当時の「ぷよぷよ・魔導物語」が好きな地元のファンが集まって、カーバンクルやもももなど「ぷよぷよキャラクター」を模した雪像を制作します。まったくの素人たちが手探りで作った雪像でしたが、これが好評だった事から「ぷよキャラ雪像」と名付けて毎年参加するようになり、アルルやキキーモラなどの雪像にもチャレンジ。

 この頃、雪まつりで見るアニメやゲームの市民雪像といえば、せいぜい「ドラえもん」や「トトロ」、それに「ピカチュウ」ぐらい。二次元のキャラクターを丁寧に雪像にするなんて他にはいなくて、ちょっと変わった存在だったかも・・・

 「ぷよキャラ雪像」づくりは、その後作り手有志による新しいチームに引き継がれ、雪像の出来は年を追うごとに良くなって行きました。アルル、セリリ、ウィッチと、次々と女の子のキャラクターを雪像にして、ついにはネット上で「萌えキャラ雪像」と呼ばれるように(そんなつもりはなかったのに!)。

 ネット上に巻き起こった「次はどの娘を雪像に?」という期待に、荒々しいすけとうだらの雪像を作って応えたことも(笑)。2009年には人手不足で雪像づくりが危ぶまれましたが、多くのみなさんの応援に支えられて続けることができました。

 時は過ぎて2011年。雪まつりに「雪ミク」が登場するなど、我々が先鞭をつけた(?!)「二次元キャラクターの雪像」がすっかり市民権を得る時代に。ならば「”雪ミク”に見劣りしない雪像を作ろう!」と一念発起してシェゾの雪像に挑戦。「お前が欲しい!」と銘打った雪像は、遠くからわざわざ飛行機で見に来てくださる方が続出するほどの大ヒットになりましたが、期せずしてこれが最後の「ぷよキャラ雪像」となりました。

 作っていたのは、北海道に住むファン有志の集まり「チームびっくり魔導人間」。企画やデザイン、実際の制作まで、ぜんぶファン有志だけで勝手にやっていました。ちょっとヘンなチーム名の由来は、当時の作り手達が好きだった某ローカル番組の迷企画から。仮のつもりで適当につけた名前が、そのまま定着してしまいました。
1994 前年、スーパーファミコンで「す〜ぱ〜ぷよぷよ」発売。この頃から、さっぽろ雪まつりに「ぷよぷよ」をテーマとする市民雪像が現れるようになる。当サイト作者が知る限りでもっとも古い雪像は、この年に作られたカーバンクルを模したもの。
1997 大学の美術系サークルがカーバンクルの雪像を制作。当時の「ぷよぷよ」のメーカー(コンパイル)が発行する会報誌に掲載される。
1998 CSA札幌(コンパイル支援団体)が「ぷよぷよ」をテーマに雪像制作。
2000 前年で途切れた「ぷよぷよの雪像」を復刻すべく、道内在住のファン有志が集まって雪像「北の大地にばよえ〜ん!」を制作。メーカー会報誌や学習雑誌の連載漫画などで紹介され話題に。以後「ぷよキャラ雪像」と名付けて恒例化。
2001 「のほほんと行こうよ」、「アルルとウィッチ(見たまんま)」制作。
2002 「キキーモラのお掃除大作戦!」、「見習い魔導師と闇の変態」制作。
稀に見ぬ暖冬で崩壊寸前になった雪像を緊急大修復。
2003 「魔導師のタマゴたち」、「音程のない音楽会!?」制作。
2004 「格闘女王様推参!」ほか制作。
作り手有志たちによって「チームびっくり魔導人間」旗揚げ。
2005 チーム初のぷよキャラ雪像「ボクたちが主役!」制作。
2006 「セリリのうたごえ」制作。可憐な雪像が観光客から好評。
2007 「コメット★サマナー」制作。暖冬に阻まれ作り手玉砕。
2008 「漢(おとこ)一匹!日本海!!」制作。真冬に熱いすけとうだら降臨。
2009 カーバンクルまみれの「ぱんぱからったほいほい♪」制作。
人手不足のチームを後押しする「ぷよキャラ雪像応援中!」キャンペーン。
2011 ぷよキャラ雪像の集大成「お前が欲しい!」制作。
翌年以降雪像制作にめどが立たず、チームは活動を終了。
ここで紹介している「ぷよキャラ雪像」は、すべて北海道在住のファン有志たちが自主的に企画・制作したもので、企業各社とは全く関係ありません。さっぽろ雪まつりには、他にも「ぷよぷよ」を題材にしたと思われる雪像が作られているようですが、この表にない雪像は私たちと無関係です。